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じいちゃんが主役の日

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じいちゃんがなくなりました。82歳でした。

まだ心の整理はできてなくてまぁまぁ考えたら涙出ちゃうけど、記録として、書きながらじいちゃんのこと考える時間として書いておこうと思った。

重たい話になってます。

 

 

 

 

 

 

 

2018年4月21日土曜日

朝7時ごろ携帯が鳴った。いや、それ以前に7時前から鳴っていたんだけど。

いとこおじ「じいさんが倒れて救急車で運ばれたけぇ起きろ!」

ちょっと乱暴な口調だったのは何回もかけてくれていたのに起きなかったからかと思った。

 

ちゃんと状況を把握できたのは今一度おばぁちゃんの妹と連絡を取り、病院で点滴しているということで、とりあえず安心して良いみたいだったので母と二人で直接病院へ行くという形になった。

ばぁちゃんは携帯を持っていないのでこの時ばかりはやっぱり持っててほしかったね。

 

到着するとじいちゃんは点滴中。

ばぁちゃんも少し安心した雰囲気でそばで付き添っていました。

 

どうやら終わり次第帰れるらしい。

入院しなくていいの?とも思ったが、とりあえずほんとに安心した。

 

肺線維症(はいせんいしょう)。

じいちゃんの病気はこれでした。

タバコは吸わないじいちゃんですが、仕事で何年も鉄粉などを吸ってきたのが大きな原因といわれてました。

この日撮ったレントゲンでは肺はすでに真っ白になってしまっていて、呼吸できているのがすごいくらいの状態にまでなっていたらしいです。

 

点滴が終わるまでにどんな状況だったのかなど色々聞いたり、病院の先生からも覚悟はしておいたほうが良いかもしれんという話もあったらしい。

おばぁちゃんはもう覚悟していますって言うたみたい。

まぁ会うたび「もうじいさん長くないけぇ覚悟しとけよ〜」って家族みんなに言ってたからね。

自分にも言い聞かせてたのかもしれないな。

 

点滴も終わり、ベッドから車椅子に移す時すごく違和感を感じた。

じいちゃん両足に力が全然入ってなかった。

ちょっと前に会いに言ったときは手を貸しながらでもトイレまで歩けていたのに。

 

会うたび少しずつ悪くなっていたのは感じていたし、ちょくちょくおばぁちゃんから聞いていたけど、「ここまで良くなかったっけ?」と思った。

 

家に帰って車からベッドに寝かせるのも一苦労。

大人二人でも難しいくらい。

こんなのばぁちゃん一人では絶対ムリだと思った。

 

じいちゃんは病院ではほとんど声を発してなかったから気づかなかったけど、ほとんど喋れなくなっていた。

「ここまでなったのは今日が初めてよ。」ってばぁちゃんが急にこんなこと言うからびっくりした。

 

喋るのも一人で立つ事も前日まではできていたんだと。

ここでほんとにそろそろなんだなとか、ばぁちゃん一人じゃ絶対無理やから入院させてあげるか俺や母が寝泊まりしていかないととか言う危機感を感じた。

逆に言えばここまで来ないとわからないんだなって少し情けなくもなった。

それと同時にほんとに病院から帰っても大丈夫だったのか?とも思った。

 

一旦落ち着いたのもあって、母とばぁちゃんが買い物へ行くことになり、ばぁちゃんの家でじいちゃんと二人留守番することになった。

 

じいちゃんの様子をちょくちょく見に行っていたが、別の部屋にいた時じいちゃんの声が聞こえてきた。

行ってみると自分で動こうとしていた。

「おしっこしたいん?」と聞くと少し声を出しながら頷いた。

 

「そのまましていいんよ〜、ちゃんとそのままおしっこ出して良いパンツはいとるんじゃけぇ」って言っても、今まで意地でもパンパースでのおしっこを拒んできたらしいからこの時もたぶんトイレに行ってするつもりだったろうね。

落ち着かせようとしても布団蹴ったり結構動いちゃって。

 

それとやっぱり、ばぁちゃんがいないことが不安だったんだろうね。

しゃべれないなりにばぁさんって言ってた気がするし。

 

起こしてあげておしっこさせてみようとも思ったんだけど、起こしただけでもすごく息が上がってしまってなんかすべてが不安で。

力もないし知識もないし。

 

老々介護しているばぁちゃんがほんとにすごいことしてきたんだと思った。

自分はただ手を握って声をかけて少しでも安心させるしかなかった。

 

でも手を握ったら落ち着いてくれた。

帰ってくるまで不安やったけど、こんな長くじいさんと二人でおったのは小学生ぶりだな〜とか思ったり。

 

結局二人が帰ってくるまでおしっこせず。笑

帰ってから3人がかりでポータブルトイレでおしっこをさせようとするんだけど、俺と母がいるから恥ずかしがってしない。笑

 

我慢するのしんどいのにね〜。結局せずに寝かせたよ。笑

 

この後どうしようか色々話をして、やっぱり入院しないと難しいことが多いから病院にお願いしてみることになり、再び病院へ行って診てもらうことになった。

 

自分たちで連れて行ってもよかったけど、じいちゃんへの負担も考えて介護タクシーを呼んだ。

タクシーまでじいちゃんを抱えて行く時、壁や玄関などあらゆるつかめるものを掴んで話さないじいちゃん。

その力ない身体のどこにそんな力があるのって。

 

家の中にあった鉢の枝も掴んで倒すし、今思えば病院行きたくなかったんかなぁって。

〇〇病院行こうか〜?ってきいたらはっきり「行かん!!」って言ってたしな。

 

それでも家ではどうしようもないので入院できるならとお願いしたかった。

タクシーに乗る時一瞬苦しそうに息をしているのが見えた気がしました。。

 

自分たちもすぐ病院へ向かった。

 

着いたときはじいちゃんはタクシーを降りて車椅子に乗せてもらっていた。

 

この時すごく胸がざわついた。

じいちゃんさっきより明らかに顔色が悪くなっている。

 

看護婦さんがじいちゃんの顔色を見たタイミングで、ようやく自分も状況が良くないことを理解した。

 

急変してしまったというか、もうすでに朝がその兆候だったのかもしれない。

 

応急処置室の方へ移動し、担当の先生がじいちゃんの様子を見て説明してくれた。

酸素マスクつけたり、心臓マッサージしたりして少なからず延命は出来るかもしれないが、たくさん患者さん看取ってきた先生が死を察しているのは言わずも表情で手に取るように分かった。

 

ばぁちゃんはその説明を受けて、「肺が悪いからもう押さえつけるのはいいです」って言った。

 

じいちゃんの心臓はなんとかぎりぎりで動いていた。

口を開けて息を吸い込む。一生懸命吸い込むんだけど吸い込めない。

 

頭のなかでは「嘘でしょ?そんなわけない!」って思いでいっぱいだった。

 

ばぁちゃんは両手でじいちゃんの顔をたたきながら「はよ起きぃ!じいさんがんばれ」って。

母も母の妹に電話をつなぎながら「おとうさん!なんしょーるん!」って。

俺はずっとじいちゃんの手を握ってた。いかんで!って多分言ってた。

 

1回息を吸い込んでくれたのは覚えてるけど、そこからは静かになってもう一度息を吸う事はなかった。

心電図モニターもドラマで見るみたいにピーって鳴ってる。

じいちゃん亡くなっちゃった。

 

「息を引き取る」というその瞬間見たという感じだった。

 

 

看取ることができたけど、ありがとうって言えてない。

覚悟しとけって言われてたけどこの日はそんな覚悟なんてしてない。

頭の中は「待って、待って」って言うことでいっぱいだった。

 

展開が急過ぎて気持ちがついていかなかった。

点滴受けてたときはまだ自分の意志もあったし、おしっこ恥ずかしがったりしてたのに。

 

いろいろ考えた。

病院へ連れて行ったのも負担だったろう。可哀想なことしたなぁって。

もし病院から帰らず入院できていたら、もう少し長く生きて母とばぁちゃんと俺だけじゃなくみんなで看取ることができたかもとか。

でもばぁちゃんも長い間じいちゃんの介護に負われていたから、今日がその日だったんだ、ばぁちゃんが倒れる前に逝ってくれたんかなとか。

 

どういう形で迎えてもきっと、こうだったらなとか、こうしてあげていればなっていうたらればは起きる。

 

入院させてもらえず帰らされたって言う気持ちもなくはないが、ばぁちゃんのことも事も考えるとなんかすごく複雑だった。

病院を責めるのはなぜかみんな違うと思っていた。

 

ほんとに人の死ってあっけないというか、準備なんて結局できないものなんだなって心から思った。

 

じいちゃんがこの日喋った言葉はいくつか覚えている。

  • 点滴中に「こんなことになるとは思わなかった」
  • 〇〇病院行くか?って聞いたらこの日一番はっきりとした口調で「行かん!!」って言った
  • 「はい!」(返事)

はっきり聞けたのはこれくらいだったかな。

 

そういえば病院行く前にばぁちゃんの家で話をしている時、『じいさんが手を上げとったから、「どしたん?何が見えるん?」って聞いたら「キラキラしとる」「花が見える」ってようたで〜?もうこりゃ長くないかもしれんど〜』って言ってた。

亡くなる前に何か見えるってホントなんだなぁって思った。

 

通夜、葬儀の段取りや準備もすぐしなくてはならないのも酷だね。

悲しむ暇もないって言うけどほんとにこれなんだな。

 

荷物や準備のために一度ばぁちゃんの家に戻ると、さっきまでいたじいちゃんのベッドには、じいちゃんが寝てた後が残っていた。

おしっこもしてたみたいで少し布団が濡れてた。なんだちゃんとしてたんじゃんか。

あの世にまで持っていかなくてよかったね。

そのベッドの横には酸素を吸引する管があり、それらを見ていると一気に涙が出てきた。

ありがとうというよりごめんって気持ちがいっぱい。

 

最後にすごい苦しめちゃったのかなぁとか。

まだ孝行してないよとか。

 

でも看取らせてくれてありがとうだよね。

もしかしたら朝の時点でダメだったかもしれないし。

 

みんな集まるまでは待てなかったけど、がんばったもんね。

 

ここ何年も笑った顔見れてなかったけど、遺影と寝てるような顔はなぜかすこし微笑んでるようでした。

ホント不思議。

じいちゃんは涙もろいから涙目になってるのはよくあったけど、こんな微笑みここ最近まったくみてなかったぞ。

 

俺は第一孫だしじいちゃんばぁちゃん子だったからほんと甘えてきました。

最後まで孝行できず甘えた孫でした。

ばぁちゃんはできるだけ寂しくさせないからゆっくり休んでください。

ほんとにじいちゃん大好きでした。ありがとう。火葬場で伝えたけどね。

いつからか怒られることなくなっちゃってたけど、夢にでも出てきてまた叱ったり褒めたりしてください。

 

ばぁちゃんもほんとにご苦労様。

じいちゃんをここまで長生きさせてくれてありがとう。

 

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